B&Bの漫才「佐賀のがばいばあちゃんが売れたワケ」の台本書き起こし

お笑いコンビ:B&B
オスカープロモーション所属
1972年結成
ボケ担当:島田洋七(しまだ ようしち)
ツッコミ担当:島田洋八(しまだ ようはち)

B&Bの漫才「佐賀のがばいばあちゃんが売れたワケ」
お笑い演芸館(2018年5月10日放送)より

B&B「佐賀のがばいばあちゃんが売れたワケ」

セリフ左:島田洋七
セリフ右:島田洋八

こんにちは。
ねえでも今日は色々あるわ。
何があんねん?
1年半ぶりに会うたから何しゃべっていいかわからんのよ。ネタもなければなんもなければみたいな。
この前会ったのこの番組やんな?
1年半前にここで会うたんよ。
それ以来しゃべった事もないしね。
今日もすれ違う時誰?と思った。
アホ!わかれそれぐらいは。
俺は時々テレビ出るけどお前わからんもん。
捜査願でも出したろうかなと思ってね。
でも今日はホンマええ話があんの。
ここの娘さん医学部に入ってて国家試験今日通ったんよ。
通りました。
おめでとう。
漫才師の娘が医者やで?
それに比べてうちの娘自動車学校学科8回落ちたんよ。
バカやからなうちの娘。
やっとこの間通りましたよ。
ホンマ8回9回もやめろ思て。
ホントやね。
でも娘かわいそう。ここはこういう男前やからいいけどうちの娘はほらこれに三つ編みやからな。
これに三つ編みで自動車学校8回落ちんねんから。
最悪やでうちの家系は。
可愛いやんどんな子でも。
どんな子でも!?
お前今のは聞き捨てならん言葉。ほっとけそんなものは。
まあまあ可愛い。
「まあまあ」やないって。
でも人間ね大体生まれてきた時みんな可愛いやんか。
そりゃそうオギャ~っと生まれたらねこれ。
ところが14~15歳になったらだんだん変わってくるもんね。
べっぴんさんとそうじゃない方とな。
その点今日はね美人ばっかりでね。
二十歳ぐらいになったら今度くっきりするね。
何?「くっきり」って。何がくっきり?
くっきりするがな。奇麗なんと不細工なんと。
そんなん言うたんなや。
だけど心配せんでええよ。
40を境目にまた元に戻りだす…。
40を境に元に戻るん?
戻るがな。
ほいで60になったら昔ブスやったか奇麗かもうわからんもんね。だから顔の不細工な人は60までの辛抱よ。
それからよくなってくるわけや。
よくならんがな。60なったら言うたもん勝ちやんか。
「昔こう見えてもきれかったんやで」言うて。
そんなもんやん。皆さん辛抱してくださいもうちょっと。
誰が辛抱せなアカンねん。
それで80なったらね男か女かもわからんもんね。
そうじいさんかばあさんかわかりませんで。
わかるわ!
アホんだれウソばっか言うな。
ちょっと待ってください。
でもホンマにね俺新幹線品川で待ってた時に横に…「おじいちゃんどこ行きまんの?」言うたら「ばあさんじゃ!」言われてね。
これはあるホントに。経験あるでしょ?皆さんも。
あるよ。ほんで隣にホンマもんのじいさんがおったんよ。
でホンマもんのじいさんが「じいさんがじいさん連れてどこ行くんじゃ!」って言われて。
そりゃね富士山に山登り行くって言ったらね。
今の人はわからんて。登山帽かぶってジーパンやもん今80で。東京の人ってあか抜けてるやん。
佐賀とえらい違いやからな。
何をせきしとんねんお前。
お前悪いけど俺がオチ言うたらツッコまんか!
ツッコみなんかせんと横向いてゴホゴホって。
ひとごとみたいに言うなよホント。
お前実力で生きていけよ。
実力やないかお前。
何言うてんねん。家帰ったら嫁さん医者やしね。
嫁さん稼ぐし漫才俺がしゃべって稼ぐしお前何しとんねん。
お前は横でコンコン言うだけの話かいほんなら。
幸せじゃないかよ。
ええやないかほんなら。それで…もうええ。
佐賀の話してあげるけど…。
佐賀の話や。
佐賀1回来てください。ホントになかなか観光客来ない県なんですよ。
なんかあんのか?
なんもないけど来てください。何がないってまず飛行機の便が少ない。2便しかないからね。
2便?
管制塔がね日本一少ない管制塔よ。
何が少ないの?
ものすごい暇なんよ。だって7時45分に出たら夕方5時まで飛行機来えへんで。
その間空いてるわけや。
空いてる。ほんなら管制塔の人はそこ下りてどっかバイト行ってはるもんな。
ホンマか?それ。
羽田なんか見てみ。滑走路4本か8本あんねんで。
8本もないわ。
上下で上下で。
4本4本。
4本4本。すごいもん。
佐賀ものすごい暇。ほいで10年ぐらい前はねコックピットのとこでね見てくださいって見せられた事あったよ。
見してくれる事あるんやな。
ほいで毎週来るやんか俺東京。
ほいで帰る時にどうぞ…。案内してくれはってな。
中見してくれる?
「機長が呼んでます」言うて。
中に言うて初めて見た。右か左しか飛行機見えへんやん。
パイロットのとこ見たら全部見える。
円盤みたいな感じやな。
円盤乗ったんかお前。
乗った事ない。そやからね…。
円盤みたいやってお前…。
そんなとこツッコまんでええって。
お客さんもアホやからスッと流せよ。細かいな。
円盤なんか知らんがな俺はそんなもん。
「みたいやな」って言うたらそれでええ話やろ。
ホンマ…邪魔すな。
ハハハハッ。
お前の漫才邪魔になんじゃ俺の。
せきすなって。
バカかお前。いやほんでね飛行機に乗ったらまず東京から飛んでな四国の上へ飛んでいって大分の上…ほいで熊本の阿蘇山。
あの辺まで行ったら佐賀の管制塔にやっと話しかけよんねん。あと14~15分で着きますから着陸の許可をくださいって。
ほいだら向こうから返ってきた言葉すごいよ。
どんな?
「いつでもどっからでも」ってね。
そんな事言うのかい。
おう。そん時に機長が俺パッと見て「言わんといてくださいよ」言うて。
言うがなこんなおいしいネタ。
そりゃそうやなホンマに。
続きがあんねん。「いつでもどっからでも」言うた後「バックででも」っつったからね。
やかましいわお前。
墜落やそれやったら。
それが佐賀やってホント。
管制塔すごいよ。松の木より低いからね。
見えへんやないかそれやったら。
佐賀の言葉もおもろい。
佐賀の言葉知ってますか?「ある」っちゅう事を「ない」って言うからね。
あるない?
食堂なんか行って「カレーライスください」って言ったら「な~い」って言いはんのよ。
えっ?そんな事言うん?
ほな「ラーメンください」「ないわ」。
「ない」って言うんで「チキンライスください」「ない」やん。
ほんで5種目くらい頼んで…。
バ~ッて頼むわのう。
全部ないから帰ろうかな思たら今注文したやつがずら~っと出てきたんや。
ほんならこっちがお金がな~いっつって…。
もうええわ。
まだやっつってんねん。
なんなんだ?お前。お前プロデューサーか。
なんで勝手に帰んねん。
最初から7~8分はやれって言われてるんちゃうんかい。
もう7~8分なっとるやない。
時間はわからんって俺は。
でも皆さん健康よ健康。
体一つあったらなんでもできますから。
できるか!ウソばっか言うな。
一つで何できんの?野球選手やって相撲取りやんのか?アホやなお前。
相撲はもめまくってんね今ね。
また話そっち行くのかい。
いやホンマせやから佐賀来なはれ佐賀へ。
佐賀へな。言葉が違うっていう事でホンマ。
言葉が違うし佐賀の人面白いし。
ああ~しんどい。
なんにもないですよ。
「しんどい」言うな。
途中で20分ぐらい休むか?
どんな漫才やねんそれ。ねえ。でもねホント私ね色んな商売やってきたり芝居もやって35年前歌舞伎に出たんですよ。
大川橋蔵ショーに…。
B&Bが売れっ子の頃ね。そしたら私らが行ったら若者が…客が来る思て私らを入れてくれはったん。
そん時忙しいな。2回しか稽古してへんねん。
稽古2回それも夜中に。
夜中よ。
それで言葉が時代劇みたいなんや。
「それでも大丈夫よ。おたくらずっと漫才やってるから」言うて初日は来るやん。どんちょう上がる。
で後ろからこうな階段があってそこから大川橋蔵が下りてきて俺ら2人から…旅人。
そしたら大川橋蔵が下りてきて「どこへ行くのじゃ」。
腹にセリフ入ってるからそれでポンッと忘れてもうたんやセリフ。
真っ白なったよ。
3回言われたんよ。
「どこへ行くのじゃ」言うて。3回言われてなんも言う事なかったから「何がじゃ」って言うたんよ。
セリフ忘れてるから。
そしたら向こうが「何がじゃとは何がじゃ!」って言われて。
ほいでそこでヒュッと思い出したんよ。
ほんでパッとセリフ言うたらこれもうアカン。
反対言うてしもてん普段使わん言葉。
「拙者」と「お主」を反対言うてもうたんや。
俺相手に対してな「拙者の名前はなんと申す」。
そしたら橋蔵さん黙~ってはんねん。
そりゃビックリするわ向こうだって。
俺は聞こえてないのかなと思ったんよ。
また言ってん。「拙者の名前はなんと申す」。
そしたら向こうが「拙者はお主じゃ」。
当たり前やそんなもん。
余計訳わからんのよ。そしたらまた俺が「何がじゃ!」って言うたんよ。そしたら「うるさい」ってバサッて斬られてん。なあ芝居は斬られたらね…。
引っ込むしかないわけよ。
ほいで3人で知り合って旅する歌舞伎なのよ。
その後1人で「腹減ったか」って誰もおらんのに。
「それじゃあ行くぞ」とか言ってはんのよ。
誰もついていけへんがな。
そしたら俺ら終わったらなこの幕あるからパンと開けて「先生すいませんでした」って言ったら化粧落としながら「歌舞伎でこんなにウケた事はない」って。
もうええっちゅうねん。
だからまだやっつってんねん。
お前なんなん?今日泊まりやろ?
急いでんのか?お前。伊豆大島に住んでんのよ。
船なんかあるかアホ。
船10時があんねん。10時が。
10時があんの?どんな船やねん。ホンマあんのか?
あるある。
俺今日九州帰られへんよ飛行機ないからね。
どこ泊まんねん?
えっ?適当。
ハハハハッ。
いやほんで…ほら見てみ話がバラバラになる。
こっから立て続けにおもろい話があったんよ。
忘れてもうた。
ハハッアホ。
そういう事もやってきた事があるって。
色々やりましたけどね。
だけど失敗する事は怖くない。
失敗したら笑いにつながんのよ。あっ思い出した思い出したよ。
思い出したか。
まだやんのかいお前。
いやほいでパッと開けて「先生すいませんでした」って言うたら「歌舞伎でこんなにウケた事はない」と。
「あしたからこれでいこう」って言われたんよ。
次の日から私らの出番2分半しかなかった。だから人間間違うてもねそれが笑いに変わったらええねんて。
3食以上飯は食えんから。頭がええからいうてねいい人生待ってるとかアホやからねつまんない人生なんのあれもない。人と比べんかったら自分が日本一やで。
世界一や。
たまにはええ事も言うやろ?
作家の先生やからな。
一応作家やからね。
ハハハハッ『がばい』作家やから。
なんで売れたか知ってる?あの本。
平仮名だらけやから。
やかましいわ。
だからホンマそんなんで売れたんや。
でもあの本は本でなあれはどうでもよかったけどばあちゃんがおってよかった。最近またばあさんの仏壇の中を見たら俺を育てた日記が出てきて。
俺が覚えてない事もあんねやんか。
そりゃそうやがな。
で俺預けられたね…皆さんストーリー知ってはるからねテレビとか見て。
広島から佐賀まで行ったわけよ。
貧乏やったんよ。ほいだらね小学校1年2年の時貧乏かどうかわからんのよ。
子供はわからんわな。
5年生ぐらいなったらちょっとした貧乏かなと思ったんよ。ばあちゃんと火鉢で餅焼きながら「ばあちゃん家貧乏なん?」って聞いたんよ。
ほなばあちゃんの答えが「気付くな」。
気付いてもうたか。
そしたら俺も半分わかって半分わからんかったんよ。ほいで学校でそれ言うたら学校で「気付くな」が流行ってもうてね。
ほいで俺の友達のナンリ君が通知表が1ばっかりやったんよ。
ほいだらね友達が「気付くな」って言いよったんよ。
ほいだら学級委員長が来て「それは気付きましょう」って…。
だからそういうもんや人間ってな。
わかったわかった。
まだしゃべるか?
黙っとけ。そしてな客席回って見とけこうやって。
大丈夫や。俺がしゃべらいでお前食わしたるから。
やかましいわ。おぼんさんが「まだか」言うてるぞお前。
おぼんさんもうちょっと待っといて。ほんでね俺ホンマね中学校の時面白かったのが勉強ができんかったんよ。特にね「英語なんかできへん」言うたらばあちゃんなんて言ったと思う?答案用紙に書いとけと。
「僕は日本人です」と。
それは日本人は日本人やけどな。
海外旅行なんか行けるような家庭じゃございません。
さよならって書けと。それはよかったんよ。
俺歴史がもっとできんかったんよ。
「ばあちゃん歴史ができへん」言うたらなんて言ったと思う?
「僕は過去にはこだわりませんって書け」言うて。
ホンマに書いたんよ。テスト配る時にな「おいちょっと来い」って言って「誰がこんな事書いたんや」って言うたら「俺じゃないってばあちゃんが書けって言うた」と。
そしたら「あした6時間目終わったらばあちゃんと一緒に職員室来い」って言われてほいでばあちゃんと2人で行ったよ。
ばあちゃんと行った。
ほな学校の先生がな「そんなもんな過去にはこだわりませんって言うたんばあさんですか?」言うからばあちゃんが「私が言いました」と。
「過去にこだわって何があるんですか?」ってばあさん言うたんや。「世の中っちゅうのは前へ前へ向いて生きてかなあかん」と。
そうそう前進のみや。
「地球だって反対に回った事ないし太陽も反対から上がらんし人間は前へ向いていくんですよ」って言うたら先生が「なるほど」っちゅうたからね。
そんなん言うかお前。
ホンマやて。それはそれでわかるけどこれ問題がようわからんと。徳永君のこの大阪城は誰が建てたかって。徳永君お宅のお孫さんの答え。
僕じゃありませんって…。
当たり前やお前は。
ほなうちのばあさんが「これどう思います?」言うたらうちのばあさん「私もそう思います」って…。
ほんだら「もう帰ってください」って言われて。
ばあさんと2人学校帰ってたらばあさんが学校の校門出る時に「用事なかったら呼ばんかったらええねん」って。
もうええっちゅうねん。
だからまだあるて。
終わられへんやろが。ホンマにお前も。
大丈夫お前楽屋で着替えとけ。
ハハハハッ!
俺がここで漫談やるから。
袖で皆笑うてるよお前。
「なんでやねん」ぐらい言えよ。
面白いやろ?でもよかったな娘さんなあ。
またそれかい。
いやほんで俺帰りながらばあちゃんが通知表…通知表やない勉強のな…。
答案用紙っちゅうねん。
「答案用紙もう1回見せてくれ」って言うから見したら「あら最後の問題はおかしいな。学校の先生に文句言え」って。
人類は何百万年前に誕生したかっちゅうのあったんよ。
100年200の300年。で俺300に丸付けた。
ばあちゃん「これおかしい」と。「あした学校の先生に言え」言うから朝早よう行って先生来るの待ってな。
昔やからバイクか自転車か歩いてやんか。
「先生待って」って。「あんた300年前生きてたんか」言うたらほんならその先生すごいよ。
「生きとったよ」って言われて。
俺ビックリしてもてな。
生きとったん?
ほな家バ~ッと帰って「ばあちゃんばあちゃん」。
「すごいで。あの先生300年前生きてたらしいで」言うて。
ほなばあちゃん洗濯しながら「生きてたならしかたなかよ」…。
どうもありがとうございました。

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