濱田祐太郎の漫談「気の使い方」の台本書き起こし

ピン芸人:濱田祐太郎
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
NSC大阪校35期
活動時期:2013年~
第16代R-1ぐらんぷり王者

濱田祐太郎の漫談「気の使い方」
ENGEIグランドスラム(2018年4月7日放送)より

濱田祐太郎「気の使い方」

まああの実は僕ですね生まれつき目が悪くて今もほとんど目見えてないんですよね。
でも芸人に憧れて吉本に入ったはいいんですけど吉本に入ってから目どころか自分の将来も見えなくなりまして。
あのこれどっちか迷ったら笑といてくださいよ。
『R-1ぐらんぷり2018』で優勝させていただいて『R-1ぐらんぷり』ご覧になった方は分かるけど僕最後の最後で思いっ切りネタをかみまして。
今日はかまへんように頑張るぞ!と思って。
僕生まれつき目悪いんで1人でね外出とかしたりすると結構ね…。
僕大阪なんで…大阪の人って優しいから声掛けてくれる。
「どこまで行くんですか?」とか「一緒に行きましょうか?」って声掛けてくれるのがものすごいありがたい。
ただねこれが若い人とかやったら変に気ぃ使われたりとかするんでしょうかね。
この間もね声聞いてたらね完全に二十歳そこそこの女の子だと思うんですよ。
声掛けてくれて地下鉄の駅まで行きたいんですって言ったら連れてってくれる言うからサポートしてもらってたんです。
ほんならその女の子が僕に向かってね「あのもう少し行ったら上りの階段があるんですけど上れますか?」いやそれは大丈夫よ!
そこまで気ぃ使わんでええから。
で階段上ったんですよ。それで階段上り終わったらその女の子が「ここからしばらく歩くんですけど歩けますか?」
歩けるわ!今階段上ってきたやんか!
俺別に体力がないからこのつえ持ってるわけじゃないのよ。
若い女の子はこんな感じでね変に気ぃ使われるんですよ。
ただこれがおばちゃんぐらいになってくるとフレンドリーに話し掛けてくれるのはいいんですけど全然気ぃ使うてくれないんですよね。
この間もね…声聞いてたらおばちゃんですわ。
おばちゃんの声ガラガラやから分かりやすいんですよ。
サポートしてくれてたんです。
そのおばちゃんに連れられて歩いてるときに柱にぶつかった。
柱か何かにぶつかった後にそのおばちゃんが俺に向かって「兄ちゃん危ないで」いやそれ先言うて!
それ先言うてくれな分からへんから!
そのおばちゃんが「ごめんな兄ちゃん私が気ぃ使うてなもうちょっと言うてあげたらよかったな」ってポンポンって俺の背中をたたいてくれるんですけどおばちゃんのね力が強過ぎて柱にぶつかったときの倍痛かったです。
痛い!痛い!痛い!
今気ぃ使って!今気ぃ使って!みたいになってるんです。
さっきのね階段の話もそうなんですけどおばちゃんぐらいになってくると気ぃ使ってくれないですから「兄ちゃん今から階段上るで」って5段ぐらい上った所で言う。
遅いから!
1段目で言って!
俺漏れなく1段目つまずいてますからね。
これも気ぃ使ってもらってないと思ったのが…。
優しいおばちゃんなんですよサポートしてくれるんですけどそのおばちゃんがね「ごめんな私サポートするの下手くそで」
これ気ぃ使われてんのかな?って思ってたらおばちゃんが「でもサポートするだけ優しいやろ」どないやねん!
ほんならそのおばちゃんがですよ「でも兄ちゃん目見えてへんと色々大変やなぁ」
「カワイイ女の子がおっても顔見えへん」
「奇麗な景色があっても風景とかも見えへん」
「何にも楽しいことないやろ」いや言い過ぎ!
それ言い過ぎやから!
そこそこ楽しいこともあるから!
俺そのときびっくりし過ぎて返事するとき「そ」が伸びました。
いやそーんなことないですけどね。
でねよう声掛けるようなった…いや声掛けられるようになった。
今めっちゃかみましたね。
『R-1ぐらんぷり』優勝してから声掛けられるようなったんです。
でもよう間違えられるんですよ。
あのねこの間…「兄ちゃん最近ようテレビ出てるな」
「この間優勝してたやんなぁ『M-1グランプリ』で」とか言われる。
いや『R-1ぐらんぷり』やから思いながらね。
「でも兄ちゃん最近あれやろ?イケメンで話題になってるやん」
僕自分の顔とか鏡で見ても分かんないですから僕ってイケメンですか?ってそのおばちゃんに聞いたら…。
「いや私はそう思ったことない」とか言われて。
そこはもっと…イケメンでええやん!
気ぃ使うて言うてくれよ!思いながらね。
一番気ぃ使われてないなって思ったのが…。
おばちゃんが僕にね声掛けてくれたんですけど…。
「兄ちゃんも目見えてへんと大変なことあるやろうけどもでもな目見えてなくてもな何かあったら見えてることにしたらええねん」
どういう状況や!?
見えてることにはならんから!
俺そのときびっくりし過ぎて見えへんけどそのおばちゃんのこと二度見しましたからね。
以上濱田祐太郎でした。どうもありがとうございました。