ファーストサマーウイカ「宇多田ヒカル」
セリフ左:ファーストサマーウイカ
私の15年ぐらい前の話なんですけど。
中学生ぐらいですね。
小ちゃいころから芸能界興味あったんで昔から結構オーディション受けてたんですよ。
オーディションって芸能事務所色々ありますけどだいたい書類で最初送りますんでね
雑誌とかについてるオーディション用紙を買うてせっせと送ってたんですけどだいたい通らないんですよね。
何か一芸があって「ダンス10年やってます」とかめちゃめちゃカワイイとかやったらいくんですけどだいたい書類で落とされてたんですよね。
であるときから全員面接オーディションっていうのが結構はやりだして。
いわゆる書類審査なしで行ったら審査員の人がいて全員取りあえずは会える。
見てもらえるっていうのが増えてきたんですね。
結構大手もたくさんやってて。
全国何カ所でやるみたいなんがあって。
私大阪出身なんでいつも書類通れへんから「これで勝負していこう」思って積極的に参加してたんですよ。
だいたい専門学校とかを貸し切って丸一日中やるんですけど。
まあ書類審査がないということはふるいにかけられてないんでまあまあな人がおるんですよね。
まあまあ粗い人が…。
そうなんですよ。
全身迷彩服で「それがし」とか言うタイプの人とか。
結構ヤバめの人も。
女の子で?
男も女も。年齢もばらばらですしね。
で私の回のときに一人ちょっと「おや?」という方が私の何人か後にいて。
ビジュアルで言うと女の子でねキャミソールにホットパンツの。
ぱつぱつのホットパンツに赤いバンダナを巻いて素足みたいな。
えっ?
なぜかこうお化粧をチークとかしてるんですけど体毛という体毛を何も手入れしてなくって。
濃ゆめの感じで。
女子?
女子で。年齢も不詳なんですけど
「うわ。結構強いのおるな」とは横目で思ってて。
自分はいつもどおり特にやることもなく自己紹介だけして終わって。
「あかんかったな」って感じで見てて。
回ってってそのキャミソールの子の番になって。
「和歌山から来ましたヒカルです」って。
ヒカルさんっていう方で。
普通にねあんま顔見られないんでちらちら気にして見てたんですけど。
「私は宇多田ヒカルにとても憧れてます」
「名前もヒカルだし同じ名前だしヒカルさんになりたくって宇多田ヒカルになりたくてこの世界目指しました」
若干影響されてる感じもあって。
しゃべりも。「なるほどな」と。
「ヒカルだから元の宇多田ヒカルを超えたいし私は宇多田ヒカルになりたいし私は超えるために生まれてきた」みたいな。
めちゃめちゃヒートアップしてって。
「宇多田ヒカル大好きなんです。この歌が好きでこういうところやっぱり…」とか
もうもう自分の話じゃなくて宇多田ヒカル話をずっとしとるんですよ。
「ヤバいな。かかってもうてんな」って。
思ってたん?そのときから。
はだしやし。
濃い感じとかも逆に「めっちゃスターになるかもしれん」と。
「逆に本物なんちゃうか?」と思って。
審査員もそれぐらいの熱量があるからちょっと前のめりになってきて。
「おうおう。それで?」みたいな聞いて。
「じゃあ歌とかもやるんですか?」
「はい。歌で宇多田ヒカルさんを超えたいと思います」
「じゃあちょっと1曲歌ってもらえますか?」
「はい。分かりました」
「倉木麻衣で『Secret of my heart』」
宇多田ちゃうんか!
びっくりして。審査員もぐーっ下向いて。
まあ朗々と歌うてはりましたけど。
忘れられないヒカルちゃんの話でした。
その他の、人志松本のすべらない話はこちら
コメント